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photo credit: UGArdener via photopin cc

毎日が日曜日。
 
いや~そうなったら最高!朝はゆっくり寝て、好きなテレビ見て、趣味も心置きなくできる!・・・以前、映画で『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』というのがありました。ある世界にて、ロボット技術が極端に発達した結果、ロボットが人間の仕事をほぼ出来るようになったという。で、人間は働く必要がなくなり、毎日が日曜日。素晴らしい!かと思いきや、発達し過ぎたロボットの支配下に置かれる、というものです。


この映画が公開された当時(1993年)、私は8歳。ドラえもん面白いな~、しか思いませんでした。時は経ち2013年現在。映画と似たような状況が、我々の雇用において実現してしまうかもしれないのです。

機械との競争
機械との競争 [単行本]

「私たちは世界の歴史における新しい時代に突入している。それは、世界中の人にモノやサービスを供給するために必要とされる労働者の数が、どんどん減っていく時代である」(p.17)


本書の主張はズバリ、「テクノロジーの早すぎる進歩が、人間の雇用を奪っていく」というもの。しかし、これだけだと読者の皆さんは鼻で笑うかもしれませんね。そんなことは昔から言われていた、と。古くはイギリスで起こった「ラッダイト運動」があります。機械によって雇用が奪われると考えた労働者達による、機械打ち壊し騒動です。この頃の人々にも懸念はあったわけです。しかし、雇用はなくなったか?そんなことはありませんでした。技術の進歩が新しい産業を生み出し、結果として新たな雇用が創出されたのです。



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photo credit: Stuck in Customs via photopin cc


<今までとは異なるテクノロジーの加速的進化>

彼らは技術革新のペースがスローダウンしたからだと主張するが、私たちは、ペースが速くなりすぎて人間が取り残されているのだと考える。言い換えれば、多くの労働者がテクノロジーとの競争に負けているのである。
(p.20,21 アメリカ経済の停滞原因についての議論)  
 
技術革新のペースが速すぎる、とは何か?それは、今まで人間しか出来なかった分野の仕事を、コンピュータに任せることが可能になってきた、ということでしょう。例として、車の自動運転、機械翻訳ソフトウェア、小売業界での急速な自動化の動きなどが挙げられます。パターン化が難しい、複雑なことであってもコンピュータが出来るようになるのは脅威です。テクノロジーは日々、倍々ゲームのごとく進化しているのです。

また、コンピュータはある意味「汎用機械」です。ラッダイト運動においては紡績機が打ち壊しの対象となりましたが、コンピュータは世間への浸透度がケタ違いです。ありとあらゆる職業に導入されており、テクノロジーの速すぎる進歩が与える影響は非常に、非常に大きなものとなります。結果、コンピュータが人間の仕事を奪った後も、新しい産業が生まれる時間がないため、雇用は創出されないのです。


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photo credit: andy.brandon50 via photopin cc

<では、いったいどうすれば?>


ソフトなスキルの中でも、リーダーシップ、チーム作り、創造性などの重要性は高まる一方である。これらは機械による自動化が最もむずかしく、しかも起業家精神にあふれたダイナミックな経済では最も需要が高いスキルだ。大学を出たら毎日上司にやることを指示されるような従来型の仕事に就こうなどと考えていると、いつの間にか機械との競争に巻き込まれていることに気付くだろう。(p.127) 

ドキッッ!!いやいや、そ、そうですよね!創造性創造性!・・・本書において、個人レベルでこうすべし、という指南はあまり見当たらず。そもそも答えを本の中に探す時点で創造性の欠如と言われても仕方ない気がしますが。本書ではより高いレベル、すなわちこれから社会が進むべき方向について提言がなされています。教育・法規制・税制・・・私にはちょっとレベルが高かったですが、ぜひ、一読をオススメします!

また、本書の巻末に、法政大学大学院教授・小峰氏によるとてもわかりやすい解説がなされています。これがめっちゃ良い!解説を読んだ後に本書を読むとより理解が深まります。また、ただ解説だけでなく、反論も提示されているので面白い!本を読むとはこういうことだな、と実感しました。

技術の進歩があまりにも速すぎることに起因するテクノロジー失業。決して他人事ではありませんよ。(と、自分に言い聞かせる)これから就職する学生、ビジネスマン、必読です!


ではでは、また。